ある薬剤師のひとり言

薬剤師として思ったことを、書いていきたいです。

検査はあくまで目安 検査をしたら安心ではない

こんにちわ。

PCR検査や抗原検査、抗体検査など多種多様な検査手法が広く知られてきました。

ただ、その弊害が、医師を含め多くの医療関係者を苦しめ、一般の方にも検査をしたから安心という、『検査による安全神話』が蔓延るようになりました。

政府の政策案に、陰性パスポートや陰性証明などが出てきましたが、それらがどういう意味で発案されたのか、理解できません。

今回記事を書くにあたり、私の考えや、現在のところの検査の正確性、検査を神話化する事への警鐘も含めていますのでよろしくお願いします。

私の考え

まず、PCR検査の正確性について。抗体検査や抗原検査よりも精度が高いとされていて、確かにその通りです。

ただ、これは実際に実験経験がなければ難しいと思いますが、DNAからヒストンを引っぺがして綺麗なDNAを抽出しなければならない。ここの部分で、かなり時間がかかるという事が、あまり知られていません。

学生の頃、分子生物学の実習の経験があるのでわかりますが、DNAがきちんと精製されているか?これを、分光光度計を使って調べるんです。この作業が1番重要であり、大変な作業です。

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こちらが核酸の分析で使われるグラフです。核酸の吸光度は、260nmです。かたや、タンパク質の吸光度は、280nmです。

これらを見ると、わかりますが、僅かなタンパク質の除去漏れが検査の手筈を狂わせる可能性があります。

この部分を超えて初めて、PCR検査がなされています。ここで、核酸をきちんと把握できて、ようやく感染しているかどうかを見るところに行き着く。

そういう意味で、大変さがあるのが、PCR検査になります。

検査はあくまで目安。PCR検査の正確性とは?

PCR検査の正確性や精度について詳しく見ていきましょう。

感染から8日目(症状発現の3日後)に偽陰性割合が最も低くなり、その値が、20% (95%信頼区間:12% ― 30%)となることから、感度として一番よい値になるのが、感染から8日目(症状発現の3日後)の80%(95%信頼区間:70%-88%)となります。

この抜粋からわかるのは、潜伏期間や症状が出出した初期の段階では、偽陰性の確率が高くなります。逆に、発症三日目以降になると、検査の段階で、確実に陽性になるという事になります。

という事は、PCR検査を早期にしても、偽陰性になりうる可能性があるという事で、もしかすると、ムダになりうる事が示唆されています。

無料PCR検査の意味合いをどう意識するか?

感染者でも無症状の人や症状が出出した人といろんな人がいます。ただ、無症状の人が無料PCR検査を早期に検査して単純に陰性だったからよかったと考えるのは、あまりにも時期尚早ではないか?と思います。

特に、抗体価の検査をせずに、無料PCR検査で検査して陰性だったと喜んでいる人が1番の要注意人物だと思います。

なぜかというと、抗体価は個々の体質や身体的な免疫力の強さなどいろんな要素が絡んでくるため、抗体価が低い人からある程度高い人まで様々な人がいるため、無料PCR検査で陰性だからといっても、検査した時期が違えば、結果も違う事になります。

ここまで読んで頂けていれば、検査が目安でしかないと納得いただけるのではないでしょうか?

『検査したら安心』神話化への警鐘を鳴らしたい。

薬剤師ブロガーとして、記事を書き続けてきましたが、未だに新型コロナウイルス感染症の猛威は続いており、働く人として感染者との接点がもしかしたらあったかも?という怖さと日々闘いながら業務に従事しています。

ただ、医療関係者や一般の方の中には、『検査したから安心』という認識で、職場復帰をされている方が多いのが現状です。

ここで一度皆さんに、考え直してほしいです。あくまで検査は目安でしかない。この認識を、皆さん一人一人が頭に叩き込んでほしい。

皆さんが多く利用している無料PCR検査や、抗原検査、抗体検査は、必ずしも安心できるものではないという事。

陰性だったとしても、それに気を取られ過ぎてしまうのではなく、自分ができる感染しないための身体作りをしっかりしてほしい。

軽症で済ませる努力は、誰にでもできる事だと思います。そこを意識して、自分なりの考えを持って日々過ごしていってほしいです。

これで終わります!